これがそろばんです。 木の枠に縦の桁が並び、その桁を珠が上下にすべります。画面もなく、電池もなく、書き留めるものもありません。珠の意味さえ分かれば、あとは盤面が覚えていてくれます。読み方は紙に書いた数と同じで、左から右へ。中国のsuanpanも考え方は同じで、上下の段に珠が1つずつ多いだけです。
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そろばんの使い方
目の前の枠から繰り上がり・繰り下がりまで、手を動かしながらそろばんを一巡りします。短い20章、本物どおりに動くそろばん、そして一手ごとの解説つき。登録もアプリも、インストールも要りません。
そろばんの各部
一手ずつ、試してみる
盤面は 0 を表しています。
全20章のもくじ
第1部 — 道具を知る
珠は梁に触れているあいだだけ数に入ります。 真ん中を横切っている横木が梁で、そろばんでいちばん大事な部分です。珠を梁に寄せれば、その珠は入る。梁から離せば、外れる。このページのこれから先は、すべてこの一文から出てきます。
1本の桁が、1つの数字を受け持ちます。 縦に並んだ桁は、それぞれ0から9までの数字を1つだけ持ちます。だから3桁あれば0から999までどんな数でも表せます。紙に3つのマスを書くのと同じです。桁がいっぱいになったら、左どなりの桁の珠を動かします。勝手に動くものは何もありません。繰り上がりは、自分の指で行います。そこが、頭を鍛えている部分です。
梁の上の珠は5を表します。 この珠はどの桁にもちょうど1つあり、下げて梁に付けると数に入ります。いま盤面は5を表しています。珠1つ、動き1回、数える必要はありません。そろばんで5を足すのが1を足すのと同じくらい速いのは、このためです。
梁の下の珠は、1つにつき1を表します。 珠は4つあり、上げると数に入ります。ここでは3つ上がっているので、この桁は3です。もう一度数えてみてください。5つではなく、4つです。その足りない5つ目の珠こそ、この先の話が続いていく理由です。
数の入った盤面から始めます。 この桁は7を表しています。五珠が下り、一珠が2つ上がった形です。新しい計算に入る前には、そろばんをご破算にします。つまり、すべての珠を元の位置に戻します。
0は「何もない」ではなく、1つの位置です。 珠はどこにも消えていません。五珠は上へ戻り、一珠は下へ戻り、梁に触れているものが1つもない。だから盤面は0です。本物のそろばんでは、枠を少し傾けて梁の下を指ですべらせ、ご破算にします。いつでもご破算から始めましょう。
同じ珠が、1にも10にも100にもなります。 3本の桁それぞれで一珠が1つ上がっていて、盤面は111です。同じ珠、同じ動き、それでも値は3通り。値は「どの桁にあるか」で決まるからです。いちばん右の桁は、いつも一の位です。
3桁ごとに印がついています。 本物のそろばんは3桁ごとに小さな点が打たれていて、桁を3つずつに区切ります。一の位、千の位、百万の位 — 1,000,000 のコンマとまったく同じ役目です。そして、印のついた桁の1つを一の位に決めて使います。この盤面はもっと単純で、一の位はいつもいちばん右の桁、色がついているのは千の位の桁です。
第2部 — 数を置く
親指で上げ、人さし指で下ろします。 一珠は親指で上げ、人さし指で下ろします。五珠はどちらの向きも人さし指です。最初の1日ほどは面倒に感じますが、そのあとは意識から消えます。そして最後には、口で数を言うより速く手が動くようになる — その土台がこの指づかいです。
小さい数字は一珠だけ。 1、2、3、4なら、その数だけ一珠を親指で上げます。この桁は3です。まだ工夫は何もありません。文字どおり珠を数えているだけです。
5は、5つではなく1つ。 五珠が梁まで下りてきて、一珠はすべて下りました。これで5です。指1本、動き1回。そろばんが数えるより速くなる、最初の瞬間です。
6から9は、5とその残り。 五珠を下ろす動きと、足りない分の一珠を上げる動きを、つまむように同時に、1回で行います。ここでは 5 + 2 = 7 です。0から9までどの数字も、こうして5と1を組み合わせて作ります。だから1本の桁に必要な珠は9つではなく5つで足ります。
大きい位、つまり左から置きます。 472を置くなら、まず百の位から。一珠を4つ上げます。左から右へ進めるのは、数を読んだり言ったりする順序と同じで、長い計算でも桁を落とさない習慣になります。
次は十の位。 真ん中の桁は7です。五珠を下ろし、一珠を2つ上げる動きを、つまむように1回で行います。盤面は470になりました。桁はそれぞれ独立に置かれていて、計算を始めるまで互いに関わりません。
最後に一の位、それで完成です。 右端の桁に一珠を2つ上げると、盤面は472です。3本の桁に3つの数字を、声に出して読む順のまま置きました。
今度は置くのではなく、読んでみましょう。 数字の行はわざと消してあります。これは逆向きの力で、しかも暗算につながるのはこちらです。五珠が下りていれば5、一珠が1つ上がっていれば1、ほかの桁には何もない。だから盤面は6です。
一の位以外の五珠に気をつけて。 真ん中の桁は五珠が下りています。十の位でのこれは5ではなく、50です。百の位の一珠2つで200、一の位は空。盤面は250です。初めのうち、いちばん読み違えやすいのがこの形です。
途中の空いた桁は0です。 百の位に一珠が4つ、十の位には何もなく、一の位は五珠と一珠2つ。真ん中の桁は飛ばされているのではありません。位を空けておくための0です。盤面は47ではなく、407を表しています。
第3部 — 珠を動かす
桁に1を置いて始めます。 一珠が1つ上がり、残り3つは下で休んでいます。ここへ2を足します。 1 + 2 = 3
必要な珠が空いているなら、動かすだけ。 親指で一珠をもう2つ上げると、桁は3になります。これが直接の動きです。空いている珠が足りているとき、たし算は本当にただ珠をすべらせるだけ。そろばんの計算のほとんどは、これです。 1 + 2 = 3
次は13に5を足します。 一の位は3を表していて、その五珠はまだ上がったまま、使われていません。 13 + 5 = 18
5を足すのは指1本。 五珠が下りて、盤面は18になりました。一珠には1つも触れていません。5がそろばんでは安く、指で数えるときには高くつく数なのは、このためです。 13 + 5 = 18
引き算は、同じ決まりを逆にたどるだけ。 この桁は8です。五珠が下り、一珠が3つ上がっています。ここから3を引きます。 8 − 3 = 5
珠を梁から離して払います。 人さし指で一珠を3つ下ろすと、桁は5になります。五珠は動いていません。引くことは珠を外すこと。足すことが珠を入れることだったのと、ちょうど同じです。 8 − 3 = 5
2桁いっぺんに — 47 − 25。 大きい位から先に、1桁ずつ進めれば、むずかしくありません。十の位は4で、2を減らす必要があります。一の位は7で、5を減らす必要があります。 47 − 25 = 22
どの桁も、自分の数字だけを引き受けます。 まず十の位が一珠を2つ下ろし(47 − 20 = 27)、次に一の位が五珠を上に戻します(27 − 5 = 22)。盤面は22です。繰り下がりが要らなかったので、桁どうしは何もやり取りしていません。 47 − 25 = 22
ここへ3を足してみてください。 一珠は4つとも、すでに上がっています。押し上げる5つ目の珠はありません。それでも 4 + 3 = 7 は、答えのあるふつうの計算です。ありもしない珠に手が伸びる — その感覚こそ、次の技法が存在する理由のすべてです。五珠はまだ空いていて、その珠は5を表します。 4 + 3 = ?
多めに入れて、余分を返します。 3はそのままでは足せません。でも5なら足せます。そして5は3より2だけ多い。だから5を足してから、余分な2を払います。この2を、3の五の補数と呼びます。3 + 2 = 5 だからです。 4 + 3 = 7
まず5を足します。 五珠が下りて、桁は一気に9になります。ちょうど2だけ多すぎますが、それは承知のうえです。 4 + 5 = 9
次に五の補数を返します。 一珠を2つ下ろすと、桁は7に落ち着きます。空いた珠が3つないまま、3を足せました。五の補数を使うたし算は、いつもこの形です。5を足して、それから補数を払う。ひき算はその逆で、5を払ってから補数を足し戻します。ですから 6 − 2 は 6 − 5 + 3 です。 9 − 2 = 7
今度は9に3を足してみます。 今度は桁が満杯です。五珠は下り、一珠も4つとも上がっています。借りられる5はもう残っていません。すでに使ってしまったからです。1本の桁が表せるのは9まで。だから答えは、左どなりの桁から出てくるしかありません。 9 + 3 = ?
10は、となりの桁にあります。 3を足すというのは、10を足して7を返すこと。3 + 7 = 10 だからです。この7を、3の十の補数と呼びます。まず10を左どなりの桁へ入れ、それから7をこの桁から払います。 9 + 3 = 12
まず1を左へ繰り上げます。 十の位で一珠を1つ上げると、盤面は19です。これが繰り上がりで、となりの桁で、自分の指で行います。3を足したいところに10を足したので、7だけ多すぎます。そこで次に7を払います。 9 + 10 = 19
次に、この桁から十の補数を払います。 9から7を引くので、五珠を上に戻し、一珠を2つ下ろして、残りは2。盤面は12です。一の位が急にほとんど空になるので、初めて見ると必ず間違いのように見えます。十の補数を使うたし算は、いつもこの形です。左どなりの桁に1を足し、それからこの桁から十の補数を払う。ひき算はこれを逆にたどります。それは次の章で見ていきます。 19 − 7 = 12
繰り下がりは、繰り上がりを逆に回したもの。 盤面は11で、ここから7を引きます。一の位は1なので、そこから引ける7はどこにもありません。 11 − 7 = 4
まず左の桁から10を取ります。 十の位の一珠を1つ下ろすと、盤面は1になります。これで10を引いたことになり、本当に引きたかった7より3だけ多く引いています。 11 − 10 = 1
次に十の補数を返します。 一の位で一珠を3つ上げると、盤面は4です。出てくる数はさっきと同じ組み合わせで、向きだけが逆。7を引くには、10を取って、その十の補数の3を返します。 1 + 3 = 4
2つの補数が同時に働くこともあります。 盤面は6で、ここへ7を足します。7の十の補数は3なので、手順は左へ1を繰り上げてから、この桁から3を払う。ところが一の位を見てください。一珠が1つ上がっているだけなので、そこから3を払うこと自体が問題になります。 6 + 7 = 13
まず1を繰り上げます。 十の位で一珠を1つ上げると、盤面は16です。答えより3だけ多いので、一の位から3を払わなければなりません — ここで2つ目の技法が要ります。 6 + 10 = 16
次に5を払います。 3を引くために五の補数を使います。五珠を上に戻すと(これが −5)、一の位は1に下がり、盤面は11です。2だけ多く払っているので、それは次の手で直します。 16 − 5 = 11
五の補数を返します。 一珠を2つ上げると、一の位は3になり、盤面は13です。最後の2つの動きは、合わせてちょうど3を引いています。7の十の補数である3を、五の補数を使って払ったわけです。6 + 7 が指の動き3回、しかも1つの計算に両方の技法が入っています。この2つの補数を一度に使う動きは、大きい友だちの次のレベルである中級Aで取り組む内容で、そろばんが数え上げの玩具ではなくなる地点です。 11 + 2 = 13
ここからは自由に。 5桁、数字は表示あり、制限は何もありません。数を置き、足し、引き、やり直したくなったらご破算に。解く問題がほしくなったら、Guide Meがどんな式でも珠1つずつ解いてくれますし、練習ドリルが答えを採点してくれます。
補数のまとめ表
たった2種類の組み合わせが、そろばんの働きをほとんど引き受けています。五の補数はその数が5になるまでに足りない分、十の補数は10になるまでに足りない分です。この9行を覚えてしまえば、あとはただの手続きです。
| 数 | 五の補数(5まで) | 十の補数(10まで) |
|---|---|---|
| 1 | 4 | 9 |
| 2 | 3 | 8 |
| 3 | 2 | 7 |
| 4 | 1 | 6 |
| 5 | — | 5 |
| 6 | — | 4 |
| 7 | — | 3 |
| 8 | — | 2 |
| 9 | — | 1 |