入門 · 1段目

そろばんで99まで数える

そろばんに、覚えるべき99通りの形があるわけではありません。あるのは6つの動きだけで、100より小さい数はどれも、その繰り返しでできています。この実習ガイドでは6つすべてを珠の上で見てから、あとは自分の手に渡します。

このページの目的

そろばんを前にすると、多くの人は数を1つずつ覚えようとします。これが7、これが23、これが61、というふうに。それでは覚えることが99個あることになり、そろばんが難しく感じるのはそのためです。この道具は、まったく逆の作りになっています。1本の桁が1つの数字を受け持ち、その数字は何度も繰り返し現れ、ほんの数種類の動きだけで全部が出てきます。

ここは段のいちばん下で、身につけるのは計算ではなく、数を読むことと置くことです。いくつかのステップでは、珠が足りなくなった桁に1を足して、5と10がなぜその形をしているのかを見ます。こうした動きは、あとの段で決まりとしてもう一度出てきます。99までのどの数も考えずに置けるなら、先へ進んでください。次は基本で学ぶ基本の動き(そのまま足す・引く)、そのあとが小さい友だちです。

決まり — 1本の桁に1つの数字、珠は2種類

それぞれの桁が、数字を1つ受け持ちます。梁の下にある4つの一珠は1つにつき1、梁の上にある1つの五珠は5です。珠は梁に寄せたときだけ数に入ります。ですから1本の桁が表せるのは9まで — 五珠と一珠4つ — で、それ以上はありません。押し上げる10個目の珠がないからです。この上限は、避けて通るべき不便ではありません。次の桁がある理由そのものです。

このページには先取りの動きが2つあり、その名前を知っておくと役に立ちます。4に1を足して5にするのは、+1の小さい友だちです。五珠が下りて、一珠4つが下がります(+1 = +5 − 4)。9から10にするのは、+1の大きい友だちです。左の桁に珠を1つ置き、それから9を払います(+1 = +10 − 9)。ここで見せているのは盤面の上で5と10の意味がわかるようにするためで、決まりとして練習するのは初級Aと初級Bです。どちらにも専用の実習ガイドがあります。まずは数を置けるようになりましょう。

自分で珠を動かす

そろばんを読み込み中…

盤面は 0 を表しています。

レッスンの全文

第1部 · 1本の桁で0から9まで

ご破算から始める 珠はすべて梁から離れています。これが0です。「まだ何もない」ではなく、空の秤が0を指すのと同じ、れっきとした読みです。きちんとご破算にする習慣は、いちばん最初に身につける価値があります。ご破算しきれていない盤面は、置いたつもりのない数を表してしまいます。

1 一珠を1つ、梁まで上げます。これで桁は1です。ほかの珠は何も動いていませんし、動かす必要もありません。

2 もう1つ加わって、梁に珠が2つ。2です。梁の下の珠はどれもちょうど1ですから、数えることがそのまま読むことになります。

3 3です。どの珠を上げるか選んでいないことに気づいてください。珠は1本の桁に通っていて追い越せないので、順番に上がってきます。

4 梁に珠が4つ。桁の下側はここまでです。そして次の一手が、そろばんが腑に落ちるかどうかを決めます。

5つ目の珠はない 桁の下側を見てください。珠はもう全部上がっています。押し上げるものは残っていないのに、4 + 1 はどう考えても5です。ここが、そろばんが考え方を変えるよう求めてくる場面です。数とは、珠を足し続けてできる山ではありません。 4 + 1 = ?

前 — 梁に4つ この形を覚えておいてください。一珠が4つ上がり、五珠はまだ上で梁から離れたままです。

後 — ひと動きで5 上の五珠が梁まで下りてきて、一珠が4つとも下ります。5です。これは「珠を1つ足した」のではありません。1つが入ってきて4つが出ていったのであり、入ってきた珠が5を表すぶん、差し引きで値が1だけ増えるのです。手が1つの動きとしてできるようになるまで練習してください。これから触るどのそろばんでも、どの桁でも、この動きが出てきます。 4 + 1 = 5

6 五珠はそのままで、下から一珠が1つ戻ってきます。5と1。ここから先は当たり前に見えるはずで、それこそが入れ替えの見返りです。 5 + 1 = 6

7 上に5、下に2。桁を読むときは、先に上の珠を見て、それから下の珠を数えます。この順番が自然になったとき、速さが生まれ始めます。 5 + 2 = 7

8 5と3。7からは、まだひと動きです。 5 + 3 = 8

9 5と4 — この桁の珠が全部、梁に集まりました。9はいちばん大きい数字で、いちばん大きい数字はこう見えます。桁が満杯の形です。 5 + 4 = 9

7を置く 桁をご破算にして、7を置いてみてください。置き方は1通りしかありません。それがこの道具の便利なところで、どの数にも形がちょうど1つずつあります。 7 = 5 + 2

4から5にする 桁は4になっています。これを5にしてください。足せる珠を探し始めたら、上の入れ替えをもう一度読んでください。このステップは、まさにそこをつかまえるためにあります。 4 + 1 = 5

第2部 · 2本目の桁と、9で起きること

桁が満杯 珠はすべて梁に付いています。さっきは桁の下側が足りなくなり、五珠が助けてくれました。今度は桁まるごとが足りなくなっていて、この桁のどこにも助けになる珠はありません。助けは、よそから来るしかありません。 9 + 1 = ?

前 — 9 一の位の桁は満杯。その左には、ここまで何もしていない空の桁があります。

まず、十の位に1つ 左の桁で一珠が1つ上がります。一の位には、まだ9が残ったままです。その1つの珠が10を表すのは、置かれている場所のためであって、ほかの珠と違うからではありません。位取りという考え方のすべてが、このひと動きに入っています。同じ珠が、1本となりでは違う意味になるのです。

次に、一の位をご破算に 一の位の珠を全部戻すと、盤面は10です。何も失われていません。十の位の珠1つが、いま払った9と、足した1をあわせた分を表しているのです。 9 + 1 = 10

11 十の位は1のまま動かず、一の位がまた最初から始まります。10と1。 10 + 1 = 11

14 10と4。一の位は第1部とまったく同じことをしています。この数の半分は、もう知っているわけです。 10 + 4 = 14

15 10と5ですから、一の位はもう練習したあの入れ替えをします。十の位は知らんぷりで、動きません。 10 + 5 = 15

19 10と9 — 一の位がまた満杯です。前に一の位で見たのと同じ場面ですから、次に何が来るかは、もう分かりますね。 10 + 9 = 19

また満杯 9 + 1 のときとまったく同じ場面で、違うのは左にすでに10が1つあることだけです。やることは変わりません。 19 + 1 = ?

20 十の位にもう1つ上げて、一の位をご破算に。20です。繰り上がりを2回やると、これは「10のところでたまたま起きたこと」ではなく、「桁が満杯になるたびに起きる決まり」に変わります。 19 + 1 = 20

17を置く 盤面は10です。これを17にしてください。左の桁を先に、右の桁をあとに置きます。この習慣はあとで大きく効いてきますし、いま始めておいて損はありません。 17 = 10 + 5 + 2

第3部 · 10ずつ進んで99まで

10 十の位に珠が1つ。この第3部が何をするか、見ていてください。第1部をそっくりそのまま、1本左でくり返します。

20 珠が2つ。「2」のときと同じ珠で、値は10倍です。

30 十の位に珠が3つ。一の位は空のままです。

40 珠が4つ — 十の位の下側がこれで満杯です。次に何が起きるか見当がついたなら、この道具を理解できています。

前 — 40 十の位に一珠が4つ上がり、下にはもう残っていません。1本右の桁で4になったときと、そっくり同じ形です。 40 + 10 = ?

後 — 50 上の珠を下ろし、一珠を4つ下ろします。50です。この動きは、もう知っています。第1部の入れ替えそのままで、何も変わっていません。五珠はその桁の一珠5つ分の値ですから、十の位では50を表します。ここで新しく覚えたことは何もなく、それがこの章の言いたいことです。 40 + 10 = 50

60 50の珠に、10が1つ。50と10です。 50 + 10 = 60

80 50と30。先に上の珠を見て、それから下の珠を数える — いつもと同じです。 50 + 30 = 80

90 50と40。十の位が満杯です。この盤面のどの桁も、もう見たことのある動き方をしています。 50 + 40 = 90

まず十の位から 30です。大きい位から置いていくと、作業の途中でも数が読める形のまま残ります。

次に一の位 右に7を足すと、盤面は37です。2本の桁は相談し合っていません。十の位側と一の位側は互いに独立していて、だからこそ0から9までを2回知っていることが、そのまま0から99までを知っていることになるのです。 37 = 30 + 7

68 左に60、右に8。見慣れた桁が2本、並んでいるだけです。 68 = 60 + 8

95 90と5。ここまで来たら、珠を動かす前に形が見えているはずです。 95 = 90 + 5

珠がすべて梁に 90と9 — 2本とも完全に満杯です。これが2本の桁で表せる最大の数で、このページの題名が約束できるのも、ここまでです。 99 = 90 + 9

100には3本目の桁が要る 左の新しい桁で珠を1つ上げ、2本ともご破算にします。9から10へ、19から20へと同じ繰り上がりが、1つ左へ進んだだけです。決まりは何も変わりません。必要なのは、桁が増えることだけ。そろばんが大きくなるというのは、これがすべてです。 99 + 1 = 100

46を置く ご破算の状態から始めます。十の位を先に、次に一の位 — 40は珠4つ、6は五珠ともう1つです。 46 = 40 + 5 + 1

次は72へ 盤面は46です。ご破算にせずに72にしてください。2つの数のあいだを行き来することが、数えるということそのもので、ゼロから置き直すのとは別の力です。 72 = 70 + 2

3桁、採点なし 好きに触ってください。95から1つずつ数え上げて、繰り上がりが2回起きるところを見てみましょう。家の番地、自分の年齢、今年の西暦を置いてみるのもいいでしょう。盤面は点数をつけたりしません。

このあとは

数を置くことは、ほかのすべてが乗る土台です。0から99までが考えなくてもできるようになると、この先の計算は珠の話ではなく、数の話になります。

ほかの実習ガイド

技法は5つ、段は1つながり。どれも自分で動かす珠がついた実習ガイドで、学ぶ人が出会う順に並べています。

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